Calculating Infinity: The Dillinger Escape Plan


1999
Calculating Infinity: The Dillinger Escape Plan
アメリカのカオティック・ハードコアバンドの1stフルアルバム

カオティック・ハードコアというジャンルを作り上げたバンドのひとつであり、
今なおシーンを引っ張り続ける変態集団。
彼らの音楽性を一言で言うならば…「あああああああddふぉああヴぁあはあああっああ……あばヴぁっヴぁヴぁああああっだっだっだあああ!!!」
…こんな感じ。一言じゃないうえに意味わからん?いやでもホントにこんな感じなんですよ…。叫びまくるボーカルとわけのわからないリズムで爆走する楽器隊に時々ジャズが加わり、カオスさとテンションはもう意味不明なとこまできてます。
ブチ切れハードコア、ジャズ/フュージョン要素、時々入るおしゃれなドラミングやキング・クリムゾン的なギター。バラバラな要素をしっかりひとまとめにするセンスとテクニックにただただ脱帽。何も考えずに暴れているのかのように思えて計算されつくしたカオスさです。DEPのフォロワーは数多くいますが、正直そのほとんどはこのアルバムの足元にも及びませんよ。「変拍子や不協和音リフつかっとけば俺も天才とか言ってもらえるかもwwww」って下心丸見えなオナニーばかり。DEPがもつような捻くれたキャッチーさもグルーヴ感も何も生み出せていない。

1stアルバムにして激しさという面ではそのスタイルを完成させたためか、このアルバムより後は捻くれたキャッチーさを追及するようになるため、彼らの作品の中でも一味違うアルバムと言えるかもしれません。

とにかくテクニック、センス、テンション、すべてが圧倒的。バグったコンピューターのような音楽です。

そしてDEPの魅力のひとつにライブの凄まじさがあります。曲始まった瞬間ギター弾きながらダイブするわ、火は吹くわ…完璧な演奏ではないですが(ここまでやってもらえば、そんなことはもはやどうでもいいのですが)彼ら以上に動きながら、演奏がしっかり形になるバンドを他に知らない。

ちなみに、CDを買う場合日本盤をオススメします。このアルバムより前に出したシングル盤の曲がボーナストラックでついてきますので。その中でも"The Mullet Burden"は必聴です。


ボーカルはどちらも2代目のグレッグ。